食べたくなる=リアルではないリアル
2019年 08月 12日
私の作品は「食べたくなるミニチュア」がキャッチコピーです。店頭でお客様に「わぁ、おいしそう!」と言っていただけるのが、一番の喜びです(笑)。それは、「リアル」「本物そっくり」といった評価よりも私にとっては大切なものなのです。では、そのために何をどうしているのかといいますと、ミニチュアなのにリアルに作っていないのです。最初に実物や画像は参考にしますが、最後はイメージでまとめてしまいます。また、強調したいものは他の部分より大きく作ります。デフォルメです。つまり、リアルなのにリアルではない、リアルではないリアルが、食べたくなるミニチュアの基本なのです。前回の、初期の「あんかけ焼きそば」はストレートにリアル指向ですね。すでに多少デフォルメは効かせていますが…。それに対して、最新作の「スイカフルーツポンチ」は、スイカと器の大きさのバランスがまず変ですよね(笑)。これは、スイカをひとまとまりで見せたかったのと、それとは別に器の中身はちゃんと見せたかったからという、それぞれ別の意図があったからです。でも、両者をあわせてみても、ミニチュアとしては破綻しないラインで収まっていると思います。最後に、もっともリアルではない作品のひとつをご紹介します。5段のパンケーキがまさに崩れようとしている瞬間のミニチュアです(笑)。まあ、こんなことって、普通あり得ないですよね。でも、ご好評をいただいている定番商品なのです。特に名称は前面に出してはいませんが、「P.K.M.(パンケーキモンスター)」といいます。なぜだかわかりますか?
by studio-yorozu
| 2019-08-12 03:31
| ミニチュアフード